藪入り
今は死語になりましたが、江戸時代は、商家に勤める奉公人が、
1月と7月の16日の2日だけ御休みが頂けたのです。
1月は15日が小正月で7月は盆であったからです。
その休みの事を「藪入り」と言いました。
この事から嬉しい事が重なると「盆と正月が一緒に来たようだ」という言葉が出来たとも言います。
現代では、週休2日制などとありますが、当時は休日が無く、藪入りの日を心待ちにしてました。
奉公先でも新しい御仕着せを与え、お小遣いを渡し、11歳の頃に奉公に出て
3年経過すると初の休日・藪入りを貰えるのですから、里帰りをしようとする子供と
心配してずっと待ってる故郷の親は、互いにこの日を待ちかねていて、
飛ぶように帰って行ったといいます。
そして暫くぶりに見るわが子の背も伸びて成長した姿を見て親は驚き、又、安心したのです。
落語の「藪入り」はその姿をよく伝えています。
尚、この日は何故か地獄の閻魔大王も休日で、家に帰れなかった人たちは
各地の閻魔堂に御参りし、後は芝居見物したり美味いものを食べたといいます。
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